A.P.J. - Acoustic Progressive Jazz (2000)

激しくツボなバンドのCDを発見してしまった。タイトルからしてツボだったので聞いてみたら中身もやっぱりツボだった。難波弘之という有名なピアニストがやってるバンドらしい。内容はタイトルの通りでアコウスティックでプログレッシヴなジャズだった。

せっかくなのでもうちょいレビュー書こう。

一見ただのピアノジャズというかその系統のコンテンポラリジャズ的な物に聞こえるのだけど、明らかにピアノがプログレ的な曲の展開をしていくわけでありますよ。まぁ単純にコンテンポラリでプログレと思えば間違いないです、でも有りそうでなかった(自分が知らなかっただけかもしれない)ので結構新鮮。

ただ普通のプログレと違うのはアコウスティックにこだわってるであろう所であって、基本的な基盤としてはジャズの存在を感じる。なのでプログレというよりはジャズ寄り。ジャズ好きな人も一筋縄ではいかない曲として結構聴けるとおもう、というか根底にある音像はジャズそのものだし。

その手のジャズよろしく流れるようなベースラインに乗せてピアノが優雅にクールな旋律を奏で、さらにドラムが勢いを付けている。個人的にジャズで一番好きな雰囲気なんだけど、さらにこの上でめっちゃプログレ的な旋律や進行をやるんだからたまらない。

途中で激しくクラシックなピアノ曲が混じってきたり、現代音楽を思わせるようなミニマリズムな展開もあったりでそのあたりもバッチリ。

でも、基本的にジャズだからしょうがないのかも知れないけど、プログレというにはあまりにどの曲も雰囲気が同じというか、音像のバリエーションが少ない感じがした。楽器が限られてるからそう感じるのかなぁ。アコウスティックな楽器だけのプログレでも Pain of Salvation の 12:5 みたいに激しく色々な雰囲気が出せるのだから、そのあたりもっとやってくれたら至高のバンドになれそうな気がした。

でも日本人でこういう事をする人が居るのが知れてよかったなぁ。